
東京都写真美術館のプレス向けギャラリーツアーに参加。今回は「ストリートライフ」「写真の飛翔」などについてだった。写美はかねがね、どうも自分と好みが違うなあ・・・、と思っていたけれど、その根本的な違いがはっきり分かって、その運営姿勢にも納得できた機会であったことは、興味深いものだった。
「ストリートライフ」は、7人のヨーロッパ人の写真家、ジョン・トムソン、トーマス・アナン、ビル・ブラント、ウジェーヌ・アジェ、ブラッサイ、ハインリヒ・ツィレ、アウグスト・ザンダーの7名。
これらの写真を見ながら、私の思いはやはり吉村伸哉著「現代写真の名作研究」に行ってしまう。ビル・ブラントのプリントが見られたのはいいねえ。ブラッサイは新宿を撮った渡辺克博?につながるし、アウグスト・ザンダーは、ダイアン・アーバス、鬼海弘雄につながる。
ストリートライフというテーマだと、ウイリアム・クライン、ロバート・フランク、エド・ファン・デル・エルスケンは、展示の写真家に連なってくる。そうすると、今の写真までもうすぐだ。
もう一つの展示は、写真の飛躍と題した今の日本の写真家たち。それぞれの作家さんたちが参加してくれたのもありがたい限りである。特に都市のジオラママップを作る西野壮平氏とお話出来たのは、まことにうれしかった。彼の作品を見るのは3度目だが、石原慎太郎東京都知事が、東京にやってくるVIPにプレゼントしてもいいくらいの作品である。石原さん、ワンダーサイトやその他の活動もいいけど、西野壮平氏も取り上げてくださいな、と思う。
写美の好みと自分の好みの違いは、歴史的な価値を考えるかどうか、という一点であろうか?自分はどちらかと言えば、印刷媒体、メディア寄りの考え方をしているので、作品のイメージが世に広く流通することを考える。街中、個人の家、個々のプライベート空間などなど。
しかし写美はパブリックな組織であるし、歴史的な視点が欠かせない。
単にそれだけの視点であって、最終的には写真という表現が、人類に役に立つのだよ、ということをアピールする目的には違いがないのである。
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